紫外線(UV)は、私たちの肌に大きな影響を及ぼす外的要因です。紫外線には主に「UVA」と「UVB」の2種類があり、それぞれ肌への作用が異なるため、正しい理解と対策が必要です。ここではUVAとUVBの特徴と、それぞれに有効な対策について解説します。
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■ UVAの特徴と対策
UVAは波長が長く、紫外線の中でも約95%を占める成分です。曇りの日や室内でも降り注ぎ、ガラスも透過する性質を持っています。UVAは肌の奥の「真皮層」にまで到達し、シワやたるみといった肌の老化(光老化)を引き起こす主な原因です。UVAの影響は日焼けのようにすぐに現れるものではなく、長期的にじわじわと蓄積されていきます。
対策としては、PA値の高い日焼け止めを毎日使用することが重要です。PAは「Protection Grade of UVA」の略で、PA+~PA++++の4段階あり、+が多いほどUVAを防ぐ力が強くなります。室内や冬でもUVAは存在するため、「毎日塗る習慣」が大切です。また、窓にUVカットフィルムを貼るのも効果的です。
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■ UVBの特徴と対策
UVBは波長が短く、皮膚の表面である「表皮」に主に作用します。赤みや炎症を伴う日焼け(サンバーン)の主な原因であり、強い刺激によってシミやそばかすの原因にもなります。特に春から夏にかけて量が増え、晴れた日の屋外で短時間浴びるだけでも肌に大きなダメージを与えます。
UVB対策には、SPF値の高い日焼け止めを適切に使うことが有効です。SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、UVBを防ぐ効果を示す指標です。一般的な外出ではSPF20〜30で十分ですが、長時間の屋外活動や海・山などではSPF50以上が推奨されます。汗や水に強い「ウォータープルーフタイプ」も併用するとより安心です。
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■ 共通の対策方法
UVA・UVBの両方に対応するためには、「PA値」と「SPF値」の両方が高い日焼け止めを選ぶことが基本です。また、日焼け止めは外出の30分前に塗り、2〜3時間おきに塗り直すことが大切です。少量では十分な効果を発揮しないため、顔全体で500円玉大を目安にたっぷり使いましょう。
さらに、UVカット機能付きの帽子やサングラス、長袖の衣類なども有効です。最近ではファッション性も高いUV対策グッズが多く、季節を問わず取り入れやすくなっています。
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■ まとめ
UVAとUVBは、それぞれ異なる作用で肌にダメージを与えます。UVAは真皮に届き、シワやたるみを引き起こし、UVBは表皮にダメージを与えて炎症やシミの原因となります。日焼け止めのPA・SPF表示を理解し、季節や場面に応じて正しく使い分けることが、紫外線対策のカギです。
紫外線は一年中降り注いでいます。肌を守るためには、日常的な意識とこまめなケアの積み重ねが何よりも重要です。正しい知識を持って、今日からしっかりと紫外線対策を始めましょう。